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ビオの棚田とは

山の村なら、全国どこでも見ることのできる風景ですが、山あいのちいさな沢が流れ落ちる谷間に、今はすっかり山に戻ってしまった棚田が、ひっそり潜んでいました。
私たちの住む地域にも、そんな風景は、ありふれた風景と言っていいくらいたくさんあります。

そのひとつに注目していた私たちは、そこを元の棚田に戻そうと、昨年暮れから樹木の伐採に着手しました。

いったん山に戻してしまった、山のちいさな棚田を再生して、生きものいっぱいの田んぼにしようという、多くの人が望みこそすれ、実現するための困難さを考えたら、誰にも手が出せない難事業に、敢えて取り組んだのは、私たちBIO de BIO の真骨頂と言うべきことです。

ちょうど2010年秋に名古屋で、COP10国際会議が開かれることもあって、私たちのこの「棚田再生」が、NHKの目にとまり、少なくとも3回にわたり、合計120分を超える全国放映が決まりました。

「BIO の棚田再生・・生きものいっぱいの田んぼづくり」を目指したのですが、伐採、玉切り、搬出、伐根、枝拾いと、延々と続く重作業に、空を仰いでいた頃4月、NHKの公募に応えて集まった市民30人の「エコ田んぼ隊」が、内多アナウンサーを隊長に、現場に登場しました。
3歳から60歳くらいまでの男女混成ティームの、ひたむきな作業に、現場は目に見えて変っていきました。私たちは大きな勇気と力を与えられました。

ほんの30年位前まで、日本中の村々にあった、村落共同体の協働作業システムとしての「結い」が、完全に崩壊していく近代化の流れの中で、今再び、新たな形態で「結い」の再生回復シーンを、私たちはこの眼で見ているのかもしれません。

私たちは見よう見まねながら、かつての「結い」がそうであったように、「結い」に全責任を負う「頭領」という役割りがあり、その下に「副頭領」が何人かいて、さらに「若頭」がいる、という組織形態があることによって、はじめて、このような協働作業そのものも「持続可能」になることを、誰の目にも見えるようにしたい、と考えています。
またその「結い」の存在が、真に生物多様性の永続的保証になり、世にも美しい日本のムラの風景、景観をつくり上げていく原動力だと考えています。

ビオの棚田フォトギャラリー

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